MAZDA(マツダ) MX-30 EV 試乗 走りと静粛性に感動!エンジンルームがスカスカでびっくり

背景 

MX-30のEVモデルが日本でも21年2月から国内で発売になりました。もともとMX-30のEVモデルは欧州メインで、日本ではガソリンのマイルドハイブリッドモデルが先行して販売開始し、EVモデルは一般販売の予定がなくリース販売のみの予定でした。流れが変わったのは、菅政権が誕生し、脱炭素化政策が押され始めたときでした。その後、国内でもEVモデルを一般販売をするという方針に変更されました。マツダはEVを一般販売して、マツダにはディーゼルだけでなく次世代車も揃えているという環境イメージを獲得するための戦略のように思えます。

行きつけのディーラにたまたまMX-30のEVモデルの試乗車があり、試乗させてもらうことができましたので、レポートしていきたいと思います。県内でもMX-30 EVモデルの試乗車は4台しかなく、次世代型の店舗に優先して廃車されているそうです。ディーラもマツダ初めてのEVを扱うために、整備場に充電器を設置したそうです。


外観

外観はガソリンモデルとほぼ同じで、EVモデルと特徴づけるのは下記3点ぐらいで、ぱっと見でガソリンモデルと区別つきません。
  • リアウィンドウにELECTRICのロゴがある
  • マフラーがない
  • 充電口が右後ろにある 
フロントグリルの開口面積もガゾリンモデルと同じでEV特有のグリル開口がほとんどないようなデザインは採用していませんでした。ただし、フロントグリルにはアクティブエアシャッターがあり(MAZDA3と同じものと思われます)、空気抵抗の削減と冷風の遮断をしているようです。
充電口(普通充電と急速充電)とELECTRICのロゴ

フロント  アッパーとロア開口にグリルシャッターが見える。

エンジンルーム

EVなのでエンジンはありません。運転席側にインバーターとモーターが固まって配置されています。スカスカですがアンダーカバーがあるので地面は見えません。上から見てアンダーカバーが丸見えです。モータと助手席側のボディの間は、隙間が大きくあり、巨大なアルミの鋳物ででモータが固定されていました。とてもスペースが余っていてもったいないと感じました。
正面上から スカスカ

斜め横から スカスカ具合がよく分かる

モーターとボディをつなぐアルミの鋳物?の巨大部品

エアコン配管に円柱のパーツがつながっている(ヒートポンプエアコンっぽい?)

床下

エンジンもがなく排気管やマフラーがない、さらに燃料タンクもないためほぼフラットでツルツルでした。空気抵抗がかなり少なそうです。
フルカバーでつるつる

内装

内装はガソリンモデルと同じで、違いがわからないです。メーターはEV用に配置や項目が変わっていました。

試乗

街中を15分程度試乗させてもらいました。試乗コースには少し田舎道もあり60km/hまでの車速域を試すことができました。

  • エンジンがないためとても静かで、さらにHV車にあるようなインバーターの高周波の音も全くせず、とても驚きました。
  • ガソリンマイルドハイブリッドモデルとEVモデルの重量増加が+190kg(1460kg→1650kg)あるが、バッテリ搭載による重量増を感じさせない軽快な走り。
  • 加速力は十分あり、街中では十分ぐらいのパワーを感じることができました。低速からモータ走行特有の力強いトルクあり。車速が高くなるにつれてトルクが小さくなるため、伸び感は薄かったです。高速では少し物足りなくなるのではと想像しました。感覚的にはガソリン車の1.2Lターボに似た感覚でした。

パドルシフト



ステアリングの左右にあるパドルスイッチでアクセルオフの時の減速度を調整できます。上下2段ずつあり、減速度の強さに合わせて、メーターに表示されるチャージの量が変わることで視覚的にも変化がわかります。デフォルトではチャージ約2メモリ(車速50km/hの時)になっています。
パドルと回生ブレーキの関係 (MX-30 EV 取扱説明書より)
パワーメーター (MX-30 EV 取扱説明書より)

シフト段とチャージ量の目安 (車速50km/hの時、チャージ量は車速で変わるため)
  • +2(チャージ 4目盛)
  • +1(チャージ 3目盛)
  • デフォルト(チャージ 2目盛)
  • -1(チャージ 1目盛)
  • -2(チャージ 0目盛)
-2では減速度ゼロでマニュアル車でニュートラルにして惰行しているような感覚。
+2ではブレーキなしで停車できるぐらいの減速度。
こまめにパドルで減速度を調整すれば、ブレーキをほぼ使わずに走行できるぐらい。日産車のワンペダルの機能はMX-30にはないですが、頑張れば疑似ワンペダルのようになんとかできるレベルです。

フルチャージでメーター表示の航続可能距離は200km

私が試乗した試乗車は最初フルチャージでメーター表示の航続可能距離は200kmでした。航続可能距離は直近の電費で決まるので参考です。カタログ航続距離はWLTC(エアコンOFF)で256kmのため200kmは7割ぐらいです。
エアコンOFFにすると+〇〇kmいう表示がメーターにあり、エアコンON/OFFでの航続距離の差が大体わかるようになっています。試乗した時は外気温12度ぐらいでエアコンがいらないくらいの環境だったため、エアコンOFFでも+9km(+5%)とかなり影響は小さかったです。外気の環境によってエアコンの消費電力が変わるため、夏や冬ではもう少し値が変わるのではないかと思います。
航続距離の短さから、県外への遠出は厳しく、街乗りメインの用途に限られそうです。ただ、セカンドカーと割り切って使う人にとっては、必要以上のバッテリー搭載量は無駄で高価な重りでしかないため、このような街乗りユーザー向けの割り切ったバッテリー搭載量だと思います。MX-30の元々のコンセプトがセカンドカー(クーペ風で2人乗りメイン)のため、コンセプトとあっていると思います。

電費

MX-30 EVのカタログ電費は145Wh/km(WLTCモード交流電力量消費率)です。他のEV/PHVと比較してみると、そこまで良くないのかなと思いました。

以下、WLTCモード電費Wh/kmの比較です。(2021年時点)

EV
  • マツダMX-30 EV 145 Wh/km(車両重量:1650kg)
  • 日産リーフG 155 Wh/km(車両重量:1520kg)
  • レクサスUX300e 140 Wh/km(車両重量:1800kg)
  • ホンダe 131 Wh/km(車両重量:1510kg)
PHV
  • トヨタRAV4 PHV 155 Wh/km(車両重量:1920kg)
  • トヨタプリウスPHV 107 Wh/km(車両重量:1530kg)

まとめ

走りはとても良く静かでEV感を感じることができました。航続距離が短い点は最初から割り切っている人には無駄なバッテリがなくいいかもしれません。他の車両(EV/PHV)と比較すると、マツダ好きでEVがほしい人しか購入の選択肢にならないような気がしました。

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